展示パネルの作り方とは?デザインのコツや手作りする方法を解説

展示パネルは展示会やイベントで視覚的に情報を伝えるツールです。自社商品やサービスの紹介を効果的に進め、実際の販売につなげる重要な要素となります。
予算や目的に応じて業者に依頼する場合もありますが、手作りでも展示パネルを制作できます。自作の場合も展示パネルのコンセプトを明確にし、適切な材料を選んで作成することが大切です。
この記事では、展示パネルの基本的な概要から作成の流れ、さらには自作する際のコツやポイントを詳しく解説します。準備から設置までの手順をしっかりと把握し、印象に残る展示パネルを作っていきましょう。
展示パネルとは?

展示パネルとは、展示会で活用される視覚的なツールであり、プレゼンテーション素材の一つです。パネルには軽量で扱いやすいスチレンボードがよく使われます。スチレンボードは高密度な発泡スチロールともいわれ、加工が容易であるため、さまざまなデザインやサイズに対応可能です。
設置方法としては、壁や扉に貼り付ける、スタンドに立てる、吊るすなど、会場のレイアウトに合わせた方法が一般的です。
展示パネルの目的は大きく3つに分類されます。
- 集客する:視覚的に目を引くデザインを採用し、来場者の目を引きつける
- 周知する:商品の特徴やサービスの魅力を簡潔に伝え、来場者に理解を促す
- 価値をアピールする:企業のブランドや強みを前面に出し、信頼感や好感度の向上につなげる
これらを効果的に活用することで展示会の成功と集客率の向上が期待できます。展示パネルの作成時は目的を意識し、具体的な戦略を立てて適切な手順でおこないましょう。
展示パネル作成の流れ
展示パネルを作成する際は、コンセプトの設定から設置までのプロセスを一貫しておこなう必要があります。以下では、具体的なステップごとにポイントを解説します。
1.コンセプト決め
コンセプトは展示会の方向性や伝えたいメッセージの核となる考え方です。ターゲット層に効果的にアプローチするためには、コンセプトを明確に設定しなければなりません。
まず、自社の商品やサービスを利用する顧客像(ペルソナ)を具体的に設定します。年齢層や職業、関心事など、ペルソナの特徴を考慮して、そのニーズや価値観に基づいたテーマを選びましょう。
次に、そのテーマをもとに展示パネルやブース全体のコンセプトを策定します。コンセプトを決めることで、展示会のスタッフ全員が一貫性を持って活動でき、ターゲット層に向けて明確なアプローチが可能となります。
2.サイズ選び

展示パネルをサイズを選ぶ際は、展示場所の規模や配置スペースを事前に把握することが重要です。展示会場の広さやレイアウトに合わせて、適切なサイズを選びましょう。
大きなパネルは視認性が高く、遠くから見ても目立ちやすいため、注目を集めるのに効果的です。しかし、狭い会場に対して過度に大きなパネルを設置すると、圧迫感や違和感を与える場合があります。また、サイズが大きいほど製作費用が高くなる傾向にあるため、予算とのバランスを考慮することも大切です。
一般的に、展示会ではA1、B1のサイズが使用されます。来場者に効果的にアピールするためには、会場や目的に合わせて最適なサイズを選んでいきましょう。
3.デザイン作成
コンセプトとターゲットが決まったところで早速、デザイン作成に入ります。
まず、伝えたい情報を精査し、キャッチコピー、商品写真、説明文などをリストアップし、不要な情報は削ぎ落とします。デザインでは視認性と可読性が重要であるため、伝えたいメッセージが一目で分かる配置を考慮しましょう。
たとえば、キャッチコピーは大きく目立たせ、補足的な情報は読みやすいフォントで整然と配置します。色の選定も重要です。背景と文字のコントラストを強調することで視認性が高くなります。
また、デザイン作成には、イラストレーターやパワーポイントを使用して必要な情報や写真を配置し、効率的なデザイン作成を心がけましょう。
4.印刷
デザインが完成したら印刷方法を選定します。印刷会社に依頼する場合は、展示環境に適した素材やサイズを選ぶことがポイントです。また、耐久性や光沢感、発色などを考慮し、展示期間や設置場所に応じた印刷方式を選びましょう。
自作する場合は大判サイズの出力が可能なプリンターを使う必要があります。ただし、この場合、印刷品質にばらつきが出たり、予想以上の時間と労力がかかったりするかもしれません。予算に余裕がある場合は、印刷業者に依頼することも検討してみましょう。
展示会キングでは展示パネルを種類豊富に取り揃えております。ぜひこの機会にチェックしてみてください。

5.設置
展示パネルを設置する際は、来場者の目線に合わせた高さを意識しましょう。キャッチコピーは視線が集まりやすい目の高さに配置し、自然に視線が流れるように調整します。また、パネルが落下したり倒れたりしないよう、固定する器具を使用して安全性を確保することが大切です。
展示パネル作成のコツ
展示パネル作成では視認性の向上を意識し、展示会場やブース全体との調和を考慮して作成することも大切なポイントです。ここでは、展示パネル作成時に押さえておくべきポイントと、効果的な作成方法について解説します。
アピールしたいポイントをはっきりさせる
展示パネルを作成する際はターゲットを明確にし、効果的なキャッチコピーで来場者の関心を引きましょう。読みやすいレイアウトやフォントを選び、わかりやすさを重視します。
また、複雑なデザインや色使いは避け、企業のイメージカラーやテーマカラーを基軸に配色しましょう。統一感を持たせることで展示パネルを通じて伝えたいメッセージがしっかり伝わり、来場者の興味を引きつけます。
展示ブースを考慮して作成する
展示パネルを作成する際は単体での完成度だけでなく、展示ブースの形や規模も確認してから取り掛かりましょう。ブースのサイズや配置に応じて、パネルのデザインやサイズを調整することも重要です。
狭いブースではコンパクトなデザイン、広いブースでは目を引く大きなパネルを使用するなど、シチュエーションに適した制作が求められます。
また、展示会場での設置方法や使用する道具についても、事前にシミュレーションしておくと当日の準備がスムーズになります。
展示パネルを手作りする方法
展示パネルを手作りする場合は、以下に紹介する材料と道具を参考にして丁寧に作業を進めていきましょう。
準備する材料と道具

展示パネル作成には、以下の材料と道具を準備します。
■材料と道具
- トンボ(裁断マーク)入りで印刷した紙
- のり付きスチレンボード(片面あるいは両面にのりがついているタイプ)
- 大きめの定規
- カッターナイフとカッターマット
■その他準備するとよいもの
- やわらかい布(パネルを汚さずに貼ることができます)
- スプレーのり(スチレンボードにのりが付いていない場合に必要です)
スチレンボードは、展示パネルの土台となる材料です。仕上がりよりも大きめのサイズを用意します。種類としては3mm、5mm、7mmの厚みがあるため、展示期間や見た目の好みに応じて選びましょう。
なお、展示のために別途必要な道具がある場合は、それらも準備しておきましょう。
展示パネルの作成手順
展示パネルを作る手順について説明します。
スチレンボードの裏面に貼られている剥離紙の真ん中部分に切れ目を入れて、ゆっくりと剥がします。


事前に印刷しておいた紙をスチレンボードの上に置きます。この際、位置を合わせながら慎重におこなうようにしましょう。真ん中部分が糊で固定されてズレないため、次の作業がスムーズに進みます。

続いて、残りの剥離紙をゆっくりと剥がしましょう。空気が入ったりシワが寄ったりしないように、柔らかい布でこすりながらおこなうことがポイントです。

最後に、貼り付けた紙とスチレンボードの余分な部分をカットします。大きめの定規を使って、トンボに沿ってカッターナイフで丁寧に切り取りましょう。

各工程を慎重に進めることで美しく仕上がります。必要に応じてアルミスチールの枠を付けるなど必要な調整をおこない、展示会に適したパネルを完成させましょう。

まとめ
展示パネルは、展示会や発表会で情報を効果的に伝える重要なツールです。作成の流れを押さえ、コンセプト設定やデザイン、サイズ選びに注意することで視認性の高いパネルが完成します。
また、自作する場合はスチレンボードや適切な道具を使い、丁寧な作業を心がけることがポイントです。この記事で紹介した手順やコツを参考に、印象に残る展示パネルを制作し、展示会の成功につなげましょう。
※なお、当店では展示パネルを手作りする際に必要な材料や道具の取り扱いはありませんので、予めご了承ください。