展示会出展の費用相場はどのくらい?費用を抑える5つのポイント

展示会へのブース出展を考える上で、価格は重要な要素の一つです。出展料だけではなく、来場者へアピールするためのブース装飾にも費用がかかるからです。
しかし、出展自体未経験、あるいは大規模展示会への出展は初めてという場合、必要な装飾の価格相場を掴みにくいことがあります。
この記事では、展示会のブース装飾にどの程度費用がかかるのか、費用を抑えるポイント、展示会出展で価格差がでる理由を解説します。展示会出展の予算を組む際は、ぜひ参考にしてみてください。
展示会ブース装飾の種類

展示会ブース装飾には、展示会の主催側が用意するパッケージプランを利用する方法とオリジナルで制作する方法の二種類があります。
まずは、それぞれの概要を押さえておきましょう。
①基本仕様のパッケージを使う
一つ目は、展示会の主催側が用意する基本仕様のパッケージプランを使う方法です。
1小間前後のコンパクトなスペースで、基本的な電気工事などの費用は含まれます。加えて、壁面や背面のパネル、受付用の机や椅子といった最低限の設備が用意されています。
パッケージプランに含まれていない展示パネルやモニターなどは、出展者が用意して持ち込む必要があります。
パッケージプランは費用が抑えられるというメリットがある一方、シンプルで特徴のないブースに仕上がります。来場者の目に留まるためには、アピール方法を工夫しなければなりません。
②デザインから施工までオリジナルで制作
二つ目は、企画やデザイン、施工や回収といった一連の工程をブース装飾業者に依頼して、オリジナルの装飾を制作する方法です。ブースの広さや展示する商品に合わせた提案をしてくれるため、質の高いブース装飾に仕上がります。
全ての工程を一括して同じ業者に依頼することもあれば、一部の工程を専門業者に依頼することもあります。
前者は、コンセプトの統一やマーケティングの観点から、企画・広告代理店などに一括して制作を依頼するというケースです。後者は、デザイン性の高い装飾を求めてデザイン専門の会社に制作を依頼するケース、費用を抑えるために制作は自社で行い施工のみ外部に依頼するケースなどがあります。
基本仕様のパッケージの価格相場
まず、基本仕様のパッケージを利用する場合の価格相場をご紹介します。
展示会の主催側が用意しているパッケージプランは、安いもので1小間3万円から10万円程度が価格相場です。つまり、1小間の出展料金に加えて3万円から10万円程度を用意しておけば、ブースの装飾が可能ということになります。
1小間の場合は、システムパネルを組んで事前に作られているブースも一般的です。
また、基本仕様のパッケージプランに加えて、必要な備品や装飾をレンタルできる展示会もあります。予算も大切ですが、ブースの広さやレイアウトを考慮することも大切です。
オリジナルブース装飾の価格相場
続いて、オリジナルブース装飾の価格相場をご紹介します。展示会の主催側が用意する備品や装飾を使わないため、依頼する専門業者によって大幅に価格が異なります。
工程ごとに、それぞれの価格相場を見ていきましょう。
デザイン・企画費用
最初に必要になるのが、デザイン・企画です。
過去の展示会のデザインや装飾を再利用することもありますが、1からブース装飾を考える際はデザインや企画内容の検討からスタートします。デザイン案やブースの広さ、依頼する業者によって異なりますが、デザインと設計の構成で10万円から50万円程度が相場とされています。
無料で見積もりを出してくれる業者が多いので、比較検討した上で決めることも可能です。また、依頼側がデザインのコンペを開催するケースもあります。
制作費用
次に、ブース装飾の制作にかかる費用です。
展示会来場者にPRするために、パネルやポップ、バナースタンドやのぼりを制作します。ブースで配布するチラシやパンフレットの費用も、制作費用に入ります。
デザインやブースの広さによって異なりますが、制作費用は最低でも20万円程度見積もっておきましょう。凝ったデザインの装飾、展示会専用のチラシやパンフレットを作ろうと思うと、その分の材料費や資材費、人件費などがかかります。制作費用に上限はないと言っても過言ではありません。
施工費用
制作した装飾を会場に搬入してブースを組み立てる際には、施工費用がかかります。
デザインから施工まで同じ業者に一括で依頼している場合は、初回のデザイン費用に含まれており別途請求されないこともあります。
こちらもブースの広さによって異なりますが、制作した装飾の運送費用や人件費などを含めて最低でも10万円程度は考えておきましょう。大規模ブースの施工、大きなモニターやスピーカー、それに伴う配線などの特殊な装飾を行う場合は、費用は更に高くなります。
展示会当日のスタッフ費用
最後に、展示会当日のスタッフ費用です。
前提として、展示している商品に理解が深い社員を展示ブースに常駐させておく必要があります。
加えて、コンパニオンや司会者が必要であれば、前もって手配しておかなければなりません。自社スタッフに進行を任せても問題はありませんが、来場者との商談やプレゼンで手が回らなくなることも考えられます。また、外部のプロに任せた方が進行がスムーズで、自社社員にゆとりが生まれるというメリットもあります。展示会や自社ブースの規模に応じて、外部スタッフの手配も視野に入れておきましょう。
拘束時間や人数によりますが、時給1,800円から2,600円程度、日給1万円から2万円程度が一般的です。展示会の会場によっては、交通費や宿泊費の支給が必要になることもあります。
ブースの大きさ別にみる価格相場
展示会の出展費用は、主催する会社や小間数によって異なります。
ここでは、1小間前後のブースと3小間以上のブースの価格相場についてお伝えします。
1小間前後のブース
展示会のブースは、1小間3m×3mで設定されているのがほとんどです。しかし、運営会社によっては1小間のサイズ設定が異なることもあるため、申し込みの際は確認が必要です。
1小間あたりの出展料は30万円から50万円程度、施工費用は10万円から50万円程度とされています。コンパクトなブースとなるため、展示商品を目立たせるための絞った装飾がポピュラーです。
1小間前後のブースは、会場が狭く小規模な展示会や、ターゲットが絞られており来場者が比較的少ないと予想される展示会、あるいは予算を抑えたい出展者に選ばれているサイズと言えます。
3小間以上のブース
3小間以上のブースは比較的広く、装飾の自由度も高めです。オリジナルでブース装飾を行う場合は、装飾の範囲が展示商品以外にも広がります。商談ブースを広めにとったり、照明や音楽で空間を演出したり、看板やパネルでブースを目立たせたりといった工夫も可能です。
価格も高くなり、最低でも50万円以上となります。小間数や装飾が増えると費用もかさむので、上限はないと考えておきましょう。
3小間以上のブースは、大量の来場者が見込まれる大規模展示会や力を入れて打ち出したい新製品がある場合などに選ばれるサイズです。
展示会の出展費用を抑える5つのポイント

デザイン・企画費用、制作費用、施工費用、人件費などさまざまなコストが必要となる展示会の出展ですが、出展費用を抑えるにはどのようなことを意識したらよいのでしょうか。ここでは展示会の出展費用を抑えるコツを5つ紹介します。
出展料の低い展示会に出展する
展示会は主要都市で開催される大規模なものから、地方で開催される小規模な展示会、特定のニッチな商品を展示する場合などさまざまなケースがあります。一般的には大規模な展示会よりも小規模な展示会のほうが出展費用が低い傾向があります。出展にかかる費用を考慮してどこに出展するのが適切か考えるとよいでしょう。
繰り返し使える装飾にする
1度限り使用するブース装飾ではなく、複数の展示会で使用できるアイテムを選択するとコスト削減につながります。たとえば、企業のロゴやブランドカラーをメインとしたデザインであれば、複数の展示会で使用することができます。イベントごとにデザインを変えて装飾することで目立つことに期待はできますが、他のイベントで使用できないと都度作成することになりコストがかかってしまいます。
当店では、展示会場で装飾として活用できるバナースタンドを販売しています。設置場所や目的にあわせてお選びください。

ブース装飾を簡素なデザインで作成する
ブースの装飾を簡素にすることで費用を抑えることが可能です。例えば、大型のディスプレイを使用するのではなく、バナースタンドやポスターに代替することなど、自社商品やサービス内容を知ってもらうために簡素にするのも1つの手段です。あくまでもブースに立ち寄ってもらうことが目的になるため、簡素化しすぎて魅力のないブースになってしまっては意味がないため、他ブースとの差別化とコスト面のバランスを考えるとよいでしょう。
ブース装飾の一部を内製化する
展示会出展のすべてを外注するのではなく、一部を内製化することでコスト削減につながります。内製化するものの例として、のぼり旗やポスター、パネル印刷などの販促物や装飾を用意することで費用を抑えられます。一方で施工が必要なブース準備や工事系は外注するのがよいでしょう。
ブース装飾を手作りしてコストを抑える方法についてはこちらをご覧ください。
国や行政の補助金・助成金を活用する
国や行政が提供している補助金・助成金を活用して展示会に出展することで費用を抑えることができます。補助金・助成金の申請には条件や手続きが必要になるため情報収集と積極的に行動することが重要です。
展示会の出展で価格差が出る理由

ここまでご紹介してきたように、展示会のブース装飾にかかる費用にはかなり幅があります。小間数の違いや装飾のデザイン、デザインに合わせた施工、電気代などが価格差の理由です。特に、デザインが特徴的な装飾は施工も大掛かりになり作業ボリュームも膨らむので、金額もかさんでしまいます。
お伝えしたように、無料で見積もりを出してくれる業者が多いので比較検討しやすく、コンペで業者が決められるケースもあります。どこに予算をかけるべきか見極め、カットしても良いと判断した部分は削る必要があるでしょう。
また、展示の軸がぶれないために、定期的な企画の見直しをおすすめします。
展示会に出展する目的を見失わず、予算の中で最大限ターゲットにリーチするために費用をかけるポイントに優先順位をつけていくことが、ブース装飾のキーと言えます。
まとめ
展示会のブース装飾にどの程度費用がかかるのか、費用を抑えるポイント、展示会出展で価格差がでる理由を解説しました。
せっかくコストをかけるのですから、効果的なブースに仕上げたいと思うのは当然のことです。装飾のデザインや施工はもちろん、依頼する業者選びで後悔しないよう、まずはブース装飾の相場感を掴むことが大切です。
予算や目的に沿ってデザインや施工の専門業者を上手く活用し、自社の展示に最適なブース装飾を仕上げましょう。
当店では展示会のブース装飾に活用できるテーブルクロスやバナースタンド、のぼり旗などを販売しています。ブース装飾に必要なものを購入したい方はぜひご覧ください。
展示会キングを見る展示会ブースの設営のポイントについてはこちらをご覧ください。